皆さん、人生の三大必要資金という言葉を聞いたことがありますか?
生きていく上で、人生にはいろいろな資金が必要です。
例えば、衣食住にかかる資金、結婚資金、出産資金、子育て資金等々。
まず、人生の普通の道のりを考えてみましょう。
出生、進学、卒業、就職、結婚、子供の誕生、住宅購入、退職、老後、死亡となります。
もちろん、結婚をするか、子供を作るかは各人の自由です。しかし、少なくとも、住む場所は必要で、退職後の老後資金も欠かせません。
そう考えた場合、典型的な人生を送るために必要な資金のうち、金額的にもかなり大きく、皆さんの人生を左右しかねない資金を人生の三大必要資金と言っています。
それは、
・住宅購入資金
・子供の教育資金
・老後資金
です。
ファイナンシャル プランナーが人生の資金計画を作るとき、
横軸に、年度、家族の年齢、人生におけるイベントを並べ、
縦軸に、収入、支出、年間収支、ローン残高、貯蓄残高を記入します。
収入の項目は多くありませんが、支出の項目は多岐にわたります。
基本生活費(衣、食、光熱費等)、自動車関連費、住居関連費、教育費、保険料、税金等々。
もちろん、その支出の中でも、三大必要資金は金額的にも、時間的にも大きなウエイトを占めます。
家計のキャッシュフロー表のサンプルはこちらです。
では、簡単に三大必要資金の特徴を見てみましょう。
住宅購入資金
その人の境遇により必要資金の金額は大きく異なります。
親の家や土地があり、将来そこに入いったり、家を建てることができる人。 それに対し、一から自分の家を買わなくてはならない人。ただ、100%親の世話になれる人は例外的なので、自力で家を買う人の例で考えて見ましょう。
1. 金額的に大きい。
2000万円から5000万円はかかる。
2. 地域・仕様等の選択により金額が大きく変わる。
立地(都市圏か地方か)、駅からのアクセス、土地・床面積の広さ、設備の内容・グレード等により金額は変わる。
3. 長期的な支出になる
現金で購入する人はまれ、通常、住宅ローンで購入するので、支出が長期に渡り、(20年から30年)、生涯にわたる支出となる。
4. 住宅ローンの条件が大きな影響を与える。
金利、返済年数、早期返済の有無等がキャッシュフローに大きく影響する。
5. 子々孫々にわたり資産になり得る。
親の死後、子供に引き継ぐことが可能。親子に渡る投資資金と考えることもできる。
子供の教育資金
1. 進学させる学校・専攻により、金額が大きく変わる。
高校卒か大学、または、大学院卒か
公立か、私立か
文系か、理系か
2. 長期にわたる支出になる。
子供一人で約20年、二人、三人であれば、年齢差も考慮すると30年程度にわたる支出となる。
3. 親子二代の投資資金と考えることができる。
子供の教育資金は、親が払って、子供が給与等で回収する投資と考えられる。
一般的に、高度な教育を受けさせれば、高額の給与がもらえる職業に就くことが可能。
老後資金
1. 長期にわたる支出である。
60歳を退職年齢とするとそれから20~30年にわたり、老後資金が必要。
2. 公的年金だけで必要資金をまかなうことは難しい。
給与所得者の公的年金だけでは、老後資金をまかなうことは難しく、個人年金や貯蓄が必要。
3. 老後資金に投資的な性格はなく、消費的支出と位置づけられる。
老後資金の内訳は、衣服費、光熱費、住宅関連費用、医療費、交際費等、生きていくために必要な支出で、投資効果はない。
以上、概要を見てきましたが、三大必要資金の共通点は、次の通りです。
- 人生の壮年期・老年期に渡る長期的な支出であること
- 金額的にも千万円単位で、三大必要資金を合計すれば、億円の単位にも迫り、生涯年収の大きな部分を占めること
- 特に、老後資金については、退職までの間の資金的準備が必要であること。
人生の必要資金の概要を押さえたので、次の機会には、その効果的な準備および支出の方法を考えていきましょう。
Comments